エリオット先生の差別体験授業 【震撼の心理実験】 青い目、茶色い目 ~ 教室は目の色で分けられた…
2015/07/08
差別される側の気持ちを実際に体験し、子供たちの人種差別に対する考え方を変えさせることを目的に、1968年、アメリカ、アイオワ州ライスピルの小学校で「実験授業」が行われました。
3年生を受け持つエリオット先生は、常に「子供たちを差別意識というウィルスから守りたい」と思い続けており、キング牧師の暗殺を受けて、日頃の思いを実行することにしました。
差別される側の気持ちを実際に体験し、子供たちの人種差別に対する考え方を変えさせることを目的としていたのです。
小学校3年のクラスを青い目と茶色い目の子どもに分け、「青い目の子はみんな良い子です。だから5分余計に遊んでもよろしい」「茶色い目の子は水飲み場を使わないこと。茶色い目の子はダメな子です」というように、青い目の人は優れていて茶色い目の人は劣っていると決めつけて1日を過ごすのです。
茶色い目の子は差別されている象徴のようなカラー(襟)を着用させられます。遊具を使うことも給食でおかわりすることも許されません。
また、先生は茶色い目の子供が何か失敗をするたびに「茶色い目の子供はこれだから困る」というように批難します。
すると、15分もしないうちに子供たちは真っ二つに分かれてしまいました。青い目の子は茶色い目の子をバカにするようになりました。昼休みには殴り合いのけんかまで起こり、子供達は一瞬で互いを憎みあうようにまでなってしまうのです。
翌日は立場が逆転し、茶色い目の人は優れている、青い目の人は劣っていると変えて生活します。今度はカラー(襟)は青い目の子たちが付けます。
子供たちは差別される悲しさ、理不尽さを身をもって知らされました。
差別の設定を解いて、先生が差別はいいことか悪いことかを子供たちに問います。
「黒人やインディアンは差別されてもいいと思う? 」
子供たちは先生にすがるように「差別はいけない」と答えました。
実験授業の結果、「優れている」とされているときにテストの点数が最高で、「劣っている」とされたときに最低であることもわかりました。
それから、約16年・・・
大人になった生徒たちが集まり、エリオット先生と一緒に、当時の実験授業の映像を見ます。
そのとき、どんな気持ちだったのか、なぜそのような発言をしたのか、またその後の人生において、この授業で学んだことがどのような場面でいかされたか、などをエリオット先生とともに語り合います。
エリオット先生はその後教職を去り、人種差別に対する犯罪がなくなることを願って、全米各地の刑務所や企業で、この試みを行いました。
青い目茶色い目―人種差別と闘った教育の記録 (NHKワールドTVスペシャル)
作者: ウイリアムピータース,白石文人
出版社/メーカー: 日本放送出版協会
発売日: 1988/12
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